週末の土曜日。
私は、事情聴取のために呼び出されて、久しぶりに学校に出向いた。
調査が進んでいることに期待する気持ちもあったけれど――、それまでの調査結果を告げる校長先生たちの目は、冷たかった。
「月乃さんを虐めていたという女子三名から、全てあなたの指示だったという証言を得ました。それをばらしたら許さないと、あなたから脅されていたということも。」
女子三名というのは、ゲームで百佳の取り巻きだったと思われる、杵築ファンクラブの子たちだろうか。
彼女たちは、私に責任を押し付けようとしているのだろう。
「月乃さんの被害については、多数の第三者の目撃証言もありました。あなたが、ボロボロにした月乃さんのノートを持っていたとか、月乃さんを校舎裏で脅していたとか。
――月乃さん自身は、あなたが犯人とは、言われませんでしたが。」
校長先生は、「彼女の家格では、犯人の告発はできないかもしれません」と付け加えた。
暗に、私が脅していると、言いたいのだろうか。
「ジュースをドレスにかけられたという女性のご家族は、当校の在校生で。『その頃、姉はずっと泣いていました』と訴えていましたし。」
「大宮くんとの不純異性交遊については、新聞部の方に話を聞きました。修学旅行の際には、二人でベッドにいる姿まで、実際に目撃されていると。」
和くんは、『別に悪いことはしていない』『いまどき、そんなことを問題にするなんて遅れている』などと反論したそうだけど。
和くんのおバカ。その言い方では、聞く人によっては、事実は認めているようにも聞こえてしまう。