ところで、二分の一成人式では、各クラスから一人ずつ代表を出すことになっているところ。うちのクラスは、なぜか担任が私を推薦し、誰からも異論なく決まってしまった。

 家の力を使ったわけでもないのに。
 人望のないこの私を。

 ……私、やっぱり怖く見えるのかなあ?

 
 そうこうしているうちに、二分の一成人式が近付いてきた。今日は、各クラスの代表4人が集められて、役割分担に関する話し合いだ。

 1組の代表は杵築。
 2組の代表は私。
 3組、4組の代表は知らない子だ。


 杵築と近くで顔を合わせるのは、幼稚園時代の、音楽教室の振替クラスのとき以来になる。

 とはいえ、杵築の方は、私のことなど、全く覚えていないはず。

 子どもの記憶回路は、6歳頃に切り替わるので、それ以前の記憶というのは、よほど印象的な出来事以外、忘れてしまうらしいのだ。