帰り道。
 私たちは三杉の運転にダメ出しをしたり、『あ』から始まる食べ物を順番に言っていくゲームをしたり、グダグダな感じで一日を終えた。

 行きと逆の順番で皆を送っていき、私が最後の一人だ。


「今日は、運転ありがとう。」


 私は、果物のジャムの詰め合わせを、三杉に渡した。

 農園で買ったジャムは、とても美味しそうだったので、自宅用にももう一つ、同じものを買ってある。
 ガソリン代を払うことも提案したが、三杉は、気にしなくても良いという。


 車のドアを閉める前。
 三杉から、「今度、また付添い頼むわ」と言われたので、私は「もちろん、いいよ~。」と答えたけれど。


――練習の付添いを、2回も私に頼んでくるなんて。


 これは、間違いない。密かに思っていた『三杉、生徒会メンバー以外に友達いない説』は、どうやら当たりだったようだ……。