宴もたけなわの頃。
 総領事のお付きの人が、マイクを取り出した。
 
「こちらの金平糖をお持ち頂いたのは、どなたですか? 大変美しく、美味しいので、総領事が、どこで購入できるのか知りたいとのことです。」 


――あれは。

 私が手をあげると、マイクが回されてきた。


「そちらは、京都の、緑○○清水の金平糖です。
 皇室関係者の結婚式の引き出物にも採用されているそうで、大変美味しいので取り寄せました。お口にあえば嬉しいです。」


 皇室御用達というのが興味を引いたのか、私の持参した金平糖の周りには、たくさんの人が集まっていた。
 実際、めちゃめちゃ美味しいので、そのあたりに売っている市販品とは、全く別物である。


 最後に、私たち招待客は、珍しい透かしの入った金属製の薄い名刺入れや韓国海苔などのお土産が詰め込まれた袋を、1つずつ渡されて、パーティはお開きとなった。