「小籠包、1セットで。」

 三杉が買ったものを、私たちにも分けてくれた。肉汁がたっぷりの小籠包は、まさに美味しいの一言!

「大根モチと、ドラゴンフルーツ。」

 佐々木くんも、歩きながら珍しいものをどんどん注文しては、分けてくれる。
 そのための現地視察だもんね、色々試さなきゃ。


 私はお腹いっぱい、珍しいものを食べ歩き、心から楽しむことができた。
 そういえば、黒瀬百佳として生まれてから、こういう食べ歩きはしたことなかったなあ。


「このツアー、絶対成功しますよ! どれも美味しいし、最高に満足です。」

 私は、太鼓判を押した。


「食べ歩きツアーでは、ないんだけど……。」

 目を細めて笑う佐々木くんに、私は言い足した。

「美味しい物を食べれば満足感も高まるし。しかも買ったものを分けて貰えたりしたら、好感度はうなぎのぼりですよ。」

「――参加者が皆、お前みたいならな。」

 三杉は呆れ顔だ。