――あ、そうだ。


「はい。これ。」

 私は、ポシェットに入れていた小さな袋を、三杉に差し出した。


「何?」

「新しいストラップだよ。前のはボロボロで見てられないし。
 ――それに、トルコ石をダメにしたお詫び。」


 私は今日、皆へのお土産を買うときに、トルコ石のついたストラップも買っておいたのだ。 
 カッパドキアで、三杉があの人達にあげたトルコ石ほど良い物ではないと思うけど、一応、本物の石がついている。


「……好みに合うかは、分からないけど。」


 私の言葉は、尻すぼみに小さくなった。
 この程度なんてお詫びの印なんて、やはり、図々しいと思うだろうか。


 けれど、それを聞いた三杉は。
 フッと笑い、目の前でストラップを付け替えてくれた。

 
 色々あった修学旅行も、終わりに近付いている。