無愛想な児童の、あまりのギャップに、心臓を撃ち抜かれたような衝撃を覚えた。

 こんなに可愛い誕生祝いを貰ったのは、初めてで。頬にじわじわと熱がのぼっていく。


――こんなに、素直な良い子だったのか。


「どんな子どもでも、可愛い一面を持っている。そう思って接すれば、全ての子が、本当に可愛いと思えるようになるわ。」


 俺は、教職を舐めていた。

 実習も、児童のことも。

 今回の教育実習はもうすぐ終わってしまうけれど、改めて、いちから勉強し直そう。

 そして、いつか、正式な教員になって――、もう一度、この学校に来たいと思う。


 今のこの気持ちを忘れないようにと、俺は小さなウサギを目に焼き付けた。