週末の土曜日。
私は、羽村が買ったというマンションを訪れていた。
完成済みのマンションではあるが、まだ未入居の新築物件で、高層階の窓からの景色は壮快だ。
同じ高さに他の建物がないため、カーテンを開けていても人目が気になることもない。
2LDKと聞いてはいたけれど、リビングは何部屋分もの広さだ。私の想像していた2LDKではなかった。
「いい景色ですね~。」
「気に入って頂けて、嬉しいです。」
羽村はご機嫌だ。
「でも、せっかく綺麗に施工されているんですから。壁紙とかはこのままでも良いのでは?」
壁紙やフローリング材・扉などは、既に標準のものが取り付けられているのだ。
羽村ときたら、その壁紙から何から全てやり直すというので、もったいないこと、この上ない。