ピピーッ

 笛が鳴った。


 今日の授業の後半は、ボールを柔らかいものに変えて、男女混合で6人制ソフトバレーを行うそうだ。
 チーム分けは、簡単に、修学旅行の班の男女6人で1チームということになった。

 うちのチームの対戦相手は、奇しくも、愛花ちゃんや杵築達のいるチームである。
 試合の順番を待っている空き時間、愛花ちゃんは、いつもの生徒会メンバーを一箇所に集めた。


「どうしたの?」

「せっかくの対決だから、ちょっと勝負をしたらどうかと思って。」

「……?」

 試合だから、勝負に決まっているのでは。


「試合に負けた人は、勝った方のメンバー全員の『お願い』を1つずつきく。って言うのはどうかしら。」

「ほう。」

 なるほど。
 要するに愛花ちゃんは、この試合で賭けをしようと言ってるんだな、……って。


――そんなの、イヤだよ!