けれども、その紹介のおかげで、相手のことは大体分かってきた気がする。


 青石翔(あおいししょう)
 19歳の大学2年生。
 青石家の長男であり、大病院の跡取り息子。もちろん医学部だ。

 成績優秀で、非の打ちどころのない、きれいな経歴。どうやら、うちの祖母も、ここの病院にお世話になっているらしい。 


 あの青石さんのお兄さんだけあって、容姿はとても――、というか青石さんを上回るほどに綺麗だ。中性的な容貌で、体格はスラッとしている。
 
 だが印象は、青石さんとは全く違う。――何が違うのかというと。
 私はチラッと相手の顔を見た。

 たまたまなのかどうなのか、バッチリ目が合った。合ったというより、むしろ。


――今! 私をちょっと睨んでましたよね?