「――じゃあ、またね!」
「うん。気をつけて帰ってね。」

 そのまま和やかに、愛花ちゃんと別れて帰ることができたけど。



――これで良かったのかな?

 
 私は何か、取り返しのつかないことをしてしまったのでは、ないだろうか。

 とはいえ、もし私がさっき、「愛花ちゃんに協力する」と言っていたら。
 今頃はきっと、佐々木くんとの友情との板挟みで、今よりずっと、懊悩していたに違いない。


――これからどうなるのかは、分からないけれど。

 誰かに対して後ろめたくなるような、無理な約束をせずに済んだのは、良かった。

 その分だけは、間違いなく、気持ちが楽だった。