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さて、文化祭当日も、我がクラスのお化け屋敷では、役割分担がなされている。
杵築や愛花ちゃんは、ボードを持って校内を回る宣伝係。
優奈ちゃんは、お化け屋敷の中で上からコンニャクを吊るす係。
私はといえば。
真っ暗に遮蔽した教室の、さらに隅の暗い一角で、氷の入ったクーラーボックスを抱きしめ待機していた。
お化け屋敷の終盤には、一人ずつしか通れない、狭い道がある。
その壁はマジックミラー仕様になっており、私の側からは、客が通る様子が少しばかり見えるけれども、客側からは何も見えない。
誰かが私の前の道を通りかかったタイミングで、壁の穴から、勢いよく片腕を出し、お客さんの腕を掴むというのが、私の役割だ。
体温を感じさせないように、私の手はあらかじめ、クーラーボックスで少し冷やしておくという芸の細かさ。
暗闇の中でいきなり腕を掴まれたら、相当怖いと思う。
さて、文化祭当日も、我がクラスのお化け屋敷では、役割分担がなされている。
杵築や愛花ちゃんは、ボードを持って校内を回る宣伝係。
優奈ちゃんは、お化け屋敷の中で上からコンニャクを吊るす係。
私はといえば。
真っ暗に遮蔽した教室の、さらに隅の暗い一角で、氷の入ったクーラーボックスを抱きしめ待機していた。
お化け屋敷の終盤には、一人ずつしか通れない、狭い道がある。
その壁はマジックミラー仕様になっており、私の側からは、客が通る様子が少しばかり見えるけれども、客側からは何も見えない。
誰かが私の前の道を通りかかったタイミングで、壁の穴から、勢いよく片腕を出し、お客さんの腕を掴むというのが、私の役割だ。
体温を感じさせないように、私の手はあらかじめ、クーラーボックスで少し冷やしておくという芸の細かさ。
暗闇の中でいきなり腕を掴まれたら、相当怖いと思う。