さて、私の渡したスイーツは、杵築母に、とても喜ばれた。

 他の皆も、それぞれ手土産を持参していた。羽村が持ってきていた紅茶は、まだ日本に出店していないイギリスのブランド店のものだ。


 佐々木くんと愛花ちゃんの手土産は、いずれもマフィンで、見事に被っていた。佐々木くんの方は有名店のもの、愛花ちゃんの方は手作りである。
 
 真っ先に、佐々木くんの大きなマフィンを手に取った杵築から、佐々木くんへのたしかな愛を感じたのだけれど。
 杵築はそれを食べ終わるとすぐに、愛花ちゃんのマフィンも手に取った。


――まだ食べるんか〜い!

 杵築はかなりの甘党であることが分かった。
 愛花ちゃんが喜んでいたので、良かったとしよう。 


 美味しいスイーツに舌鼓をうちながら歓談をしている最中、佐々木くんがおもむろに、大きな袋を取り出した。

 最初から「あれは何かな。プレゼントかな~」と気になっていたのだけれど、中身は、色々なゲームだったのだ。
 佐々木くんの家は、日本最大の玩具メーカーであるため、皆で遊べるようにと、色々持って来てくれたらしい。

 テレビでもCMをしている最新のゲームも揃っている中で。愛花ちゃんが、昔ながらの『人生ゲーム』を希望したので、やってみることになった。