「俺……、全然役に立たなくて……。」
佐々木くんが、どよ〜んと落ち込んでいる横で。愛花ちゃんは不安そうに、両手を胸にあてている。
「その人達、捕まってないんですよね? 怖いな……。」
たしかに、彼らが帰ったとは限らない。
「警備会社の者が防犯カメラで追ってますから、じきに特定されますよ。ですが念のため、それまでの巡回は、三人一組で行いましょう。」
羽村が、愛花ちゃんを安心させるように言った。
「月乃は待っていれば良い。次の巡回は、俺と羽村と三杉で行けばいいだろう。」
杵築の言葉に、愛花ちゃんは首を振った。
「私も行きます! 私だって、生徒会の一員だもの。」
怖がりながらも、気丈に言う愛花ちゃん。健気なその姿は、まさにゲームのヒロインだ。
結局、その後すぐに、カツアゲ男ら2名は見つかり、事件は幕をおろした。
ハプニングはあったものの、私は柳瀬さんと美味しいミックスジュースを飲むこともできたし、それなりに楽しい文化祭だったと思う。
それ以来、学内で中等科の双子とすれ違うと、チャラい方の子から、「黒瀬せんぱ〜い」と声をかけられるようになった。
あまり敬われている感じはしないけれど。
一応、後輩に慕われているのだと思って良いのだろうか。
佐々木くんが、どよ〜んと落ち込んでいる横で。愛花ちゃんは不安そうに、両手を胸にあてている。
「その人達、捕まってないんですよね? 怖いな……。」
たしかに、彼らが帰ったとは限らない。
「警備会社の者が防犯カメラで追ってますから、じきに特定されますよ。ですが念のため、それまでの巡回は、三人一組で行いましょう。」
羽村が、愛花ちゃんを安心させるように言った。
「月乃は待っていれば良い。次の巡回は、俺と羽村と三杉で行けばいいだろう。」
杵築の言葉に、愛花ちゃんは首を振った。
「私も行きます! 私だって、生徒会の一員だもの。」
怖がりながらも、気丈に言う愛花ちゃん。健気なその姿は、まさにゲームのヒロインだ。
結局、その後すぐに、カツアゲ男ら2名は見つかり、事件は幕をおろした。
ハプニングはあったものの、私は柳瀬さんと美味しいミックスジュースを飲むこともできたし、それなりに楽しい文化祭だったと思う。
それ以来、学内で中等科の双子とすれ違うと、チャラい方の子から、「黒瀬せんぱ〜い」と声をかけられるようになった。
あまり敬われている感じはしないけれど。
一応、後輩に慕われているのだと思って良いのだろうか。