季節は肌寒くなり、もうすぐ文化祭だ。
私は生徒会室に届いたパンフレットをパラパラ見ながら、ため息をついた。
何を隠そう。私は、バンドを組んで演奏するのに憧れている。
バンドのために、アコースティックギターをやってみたいと言ったら、当然、両親は反対するに違いない。
そのため、現在は、クラシックギターを習っているけれど。バンドを組もうという声がかかったことは、今まで、一度もない。
「ため息……。どうかした?」
珍しく、佐々木くんから話しかけてきた。
「ううん。文化祭、楽しそうだなって。」
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