※※※※
日曜日をはさんで、次の月曜日は祝日だった。
週があけて登校する火曜日には、顔の腫れはだいぶん落ち着いていて、ちょっと見には、分からない程度になっている。
「黒瀬、土曜日は悪かったな。大丈夫か?」
生徒会で使う書類を運んでいるときに、和くんが通りかかった。
「大丈夫、大丈夫。」
「まだ鼻が赤いなー。」
和くんが鼻を触ろうとしてくるので。両手のふさがっている私が「うわぁ。やめてよ。」と逃げ回っていると。
羽村が声をかけてきた。
「黒瀬さん?」
「あ、すぐ行きますから。」
私は和くんに「またね。」と言うと、羽村に書類を半分持ってもらって、生徒会室に向かった。
「黒瀬さん、いいですか。」
羽村が、歩きながら話しかけてきた。
「もし虐められているのであれば、必ず相談して下さいね。――虐めは絶対に許しませんから。」
口調は柔らかいけれど、眼鏡からのぞく、その目は笑っていない。
『虐めは絶対に許さない』
深い意味はないはず。今のはただ、生徒会の仲間として、かけてくれた言葉だよね?
――だけど。
羽村によって、厳しく断罪されるというゲームでの展開が、頭をよぎって。
無意識に身震いした。
日曜日をはさんで、次の月曜日は祝日だった。
週があけて登校する火曜日には、顔の腫れはだいぶん落ち着いていて、ちょっと見には、分からない程度になっている。
「黒瀬、土曜日は悪かったな。大丈夫か?」
生徒会で使う書類を運んでいるときに、和くんが通りかかった。
「大丈夫、大丈夫。」
「まだ鼻が赤いなー。」
和くんが鼻を触ろうとしてくるので。両手のふさがっている私が「うわぁ。やめてよ。」と逃げ回っていると。
羽村が声をかけてきた。
「黒瀬さん?」
「あ、すぐ行きますから。」
私は和くんに「またね。」と言うと、羽村に書類を半分持ってもらって、生徒会室に向かった。
「黒瀬さん、いいですか。」
羽村が、歩きながら話しかけてきた。
「もし虐められているのであれば、必ず相談して下さいね。――虐めは絶対に許しませんから。」
口調は柔らかいけれど、眼鏡からのぞく、その目は笑っていない。
『虐めは絶対に許さない』
深い意味はないはず。今のはただ、生徒会の仲間として、かけてくれた言葉だよね?
――だけど。
羽村によって、厳しく断罪されるというゲームでの展開が、頭をよぎって。
無意識に身震いした。