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 翌週土曜日はよく晴れた。

 私達は、差し入れとして、色んな種類の小さなワッフルの詰め合わせを、買って行った。
 和くんは「ありがとう! チームの士気があがるよ」と喜んでくれた。


 その後、私が一人トイレに行って戻るとき。

 サッカー部の人達が和くんに、「大宮お前、あの黒瀬さんと普通に喋ってすごいな。」「マジこえーよなー」と言っているところに遭遇した。

 私は思わず、建物の陰に隠れた。


――言われてるとは思ってたけど。実際にかげ口を聞くのは、初めてだな……。


 何気にちょっとヘコむ。
 けれど、俯いた私の耳に、和くんの声が聞こえてきた。


「黒瀬、普通にいい奴だぞ? ほら、差し入れも貰ったしな。」

「「マジか!!」」


 差し入れ効果は絶大だった。
 私への悪口は皆無に。むしろ「ありがたやー!」と喜んでる人もいる。


――私だけの差し入れじゃないんだけど。


 和くんのフォローに、さっきまでの黒いモヤモヤが、胸の中からスッと消え去った気がした。