――ひいぃ!


 囲まれた!!
 あ、これ、断る余地のないやつだ……。


 私は肩を落とした。

 ここで無理に断わったら、それこそ、彼らを敵に回し、断罪フラグを立ててしまうだろう。それは決して、得策ではない。


「分かりました……。」
「仲良く頑張りましょうね、黒瀬さん。」

 愛花ちゃんは、彼らに囲まれた私に、救いの手を差し伸べるかのように。
 側に駆け寄ってきて、私の両手を握りしめてくれた。


――ああ、なんでこんなことに。
 

 せっかく、これまで長い間、杵築らと上手く距離をとってきたというのに。高等科に入って早々、こんなことになってしまうなんて。
 
 せめて愛花ちゃんとだけは、うまくやっていけますように……。

 私は心から祈った。