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 中等科生徒会メンバーだった杵築、羽村、三杉、佐々木くんの4名は、高等科でも引き続き、生徒会役員に任命された。

 そう。以前に、杵築と交際中の悩みを打ち明けてくれた美男子は、生徒会メンバーの一人、佐々木くんだったのである。


 あの日以来、佐々木くんは、杵築と一緒に連れ立って歩いているときなどに、チラッと私の方を見ることがある。

 おそらく、二人の交際の事実について私が人に漏らさないか、心配しているのだろう。

 私は『分かってる。誰にも言わないから、安心して』という思いを込めて、佐々木くんに頷きを返している。


 王明学園の高等科生徒会では、2年生が中心になって業務を行うのが慣例だ。

 けれども、今年度の生徒会の2年生メンバーは、親の転勤や留学等のために一気に抜けてしまい、残っている生徒も外部受験を目指すなどの諸事情により、業務が難しい状態にあるという。

 そのため、杵築らは、1年生にして、異例の引き継ぎを受け、生徒会執行部に就任した。

 新生徒会会長は杵築、副会長は羽村、会計は三杉、書記は佐々木くんだ。
 能力の高い彼らのこと、業務自体は問題ないが、いかんせん人手不足だという噂。


 ゲー厶においては、最初の模試の後に、杵築が、生徒会補佐として愛花ちゃんを生徒会に入れたいと、大抜擢を行う。

 成績で選んだというのが表向きの理由だけれど、実際のところは、杵築の愛花ちゃんに対する個人的な興味によるものだと思う。

 いずれにしても反対をする者はおらず、愛花ちゃんは喜んで生徒会に迎え入れられる。
 イケメンだらけの生徒会の紅一点として、ドキドキの生徒会ライフの始まりだ。