─animaTane─ドレミ

ミカエルには理解し難いワードが多数含まれている。そのほとんどを理解は出来ていない。しかし、サンが伝えたい事柄を感じることは出来た。


サンはミカエルに二度と生き返らない両者に関して、「この現実をその目で見てそれでも、キミのママのコピー〈クローン〉、つまりキャサリンの遺伝子を持つ女性が欲しいかい?そして、みゃあの代用品〈機械仕掛けのみゃあ〉はそれでも欲しいかい?」


ミカエルは深い緑色に輝くカプセルのキャサリンとみゃあを見つめた。


もう二度と戻らない。


わかってはいた。理解はしていた。でも、サンの甘い問いかけに逃げるように瞼を閉じた。すると、キャサリンと祖父母で丸テーブルを囲み、大好きなシチューとパンを微笑ましく食べる食事風景が浮かび、たとえ1年ではあるもののみゃあと過ごした下水道でのテント生活。胸元にみゃあはいた。まるでミカエルの心の在処のように────────────


右目の瞼から、閉じた瞼から、つーッと涙の一雫が頬を伝う。


「僕は──────────」ミカエルの声が叫びにも似たトーンで、声音は荒々しくもどこか儚い叫び、心の嘆き、それらをはらみミカエルは両手を握り、口にする。


「ママとみゃあを普通に死なせてあげて?」


声のトーンが不意に静けさを持つ。


サンは瞬時に理解した。普通に死なせる。つまり、両者の似た何かを創らず、そのまま亡くなった命として土に帰すということだろう。ミカエルは幼いながらに見たくなかった。キャサリンとみゃあの形を変えた命を。