「そんな世界出来るの?」
ミカエルは幼い顔をサンの横顔に向けた。サンの横顔がカプセルの緑色が反射して僅かにグリーンに輝く。サンは断言した。
「出来る」と─────────
「命に必ず、優劣があり、だが、俺はどんな命でも等しいと信じたい。等しい命の実現が夢と理想の世界を造るヒントになる。
それには長い時間と肉体の器が必要になった。
産みの痛みとも言える犠牲を彼ら、彼女らに担ってもらっている。ここの空間にいる私とキミ以外、全ての男女さ。」
ミカエルはパッと口にする「ロー?」。
「そうだね。ローで正解だが、正しくはロー達。ローはこの空間の俺以外の男児、少年、青年、から始まり、中年まで。俺の作り出した自身のクローン。クローンが俺であり、今の俺もかつての俺のクローンだ。脳内の記憶をローの身体にアップロードして、しぶとく生きているのさ。」
ミカエルはわかっているのか、わかっていないのか、「じゃあ、女の子は?」と聞く。
サンはしばらく沈黙した。なぜだかはわからないが、冷静な表情が曇る。まるで影を落とすように。
「女児、少女、女性もある女性のクローンだ。ローと同様で全ての女性をセフィナと呼んでいる。
そのため、彼ら、彼女らにとって俺は父親なんだ」

