─animaTane─ドレミ

男性の手から刃物を取り上げ、遠くへ投げ捨てた。そして、時間は動き、サンは手元から刃物が消えて動揺する男の顔面に拳を振るった。顔面直撃で男性の鼻からは鼻血が出て、歯が何本か折れているようで口からも血が流れていた。


「お前の考えは単なる命を奪う身勝手な理由だ」


サンは怒りの表情で男性を睨む。


男性は18歳の少年であるサンに殴られたことで激怒して、その巨大な体躯でサンに掴みかかろうとするが、次の瞬間にはサンはいない。忽然と姿を消したかと思うと男の真後ろにいた。


「お前もまた命。命は決して等しくないかもしれない。優劣があるのかもしれない。けどな、子犬達の命もお前と同様の命であり、俺はそこに優劣はつけない。命は等しいと俺は信じたい」


真後ろにいるサンにひじ打ちをしようと男性は巨体を回転させる。しかし、またサンはいない。


男性は興奮のあまり、鼻息を荒くして、息遣いも荒くして、サンを探す。サンは男性の足元で鳴き声を上げる子犬達を撫でていた。まるで狐に化かされた気分に男性は陥る。


「なぜそこにいる!?」