─animaTane─ドレミ

落としたはずの紙袋はなくなり、子犬は目前で鳴いている。これは、とサンは左手の輪を見て確信した。時戻りだと。


なんの原理で発動したのかはわからないが、時戻りは発動して、子犬達が生きている過去へ戻った。それは確かだ。


サンは犯人を見つけるために段ボールから物陰に隠れるためにレンガ造りの壁から段ボールの様子を伺った。すると一人の人物が現れた。容姿からするに中年の男性である。その手には鋭利な刃物が握られている。それはよく磨がれているのか光を反射していた。男性は段ボールの子犬達に告げる。


「親許から離れて、さぞ苦しいだろう?今、楽にしてあげよう」


サンは男性が体勢を変え、子犬に刃を突き立てる瞬間に駆け寄り、時間停止が発動する。子犬達も止まり、男性も刃を子犬に突き立てる瞬間で停止している。


サンは習得出来たのだ。時間停止を。それを自由に発動することが出来るようになった。