─animaTane─ドレミ

この悲しい事件が終わりを迎えて、いつもの生活が戻った。左手の赤い輪があの時、赤色の光を放ち、時間を止めたようにへルメルの動きを止めた。


それはまるでサンを守るかのように──────────


あの時の奇跡のような時間停止がなければサンも院長同様に殺害されていただろう。そして、犯人を特定するのは事実上、困難だっただろう。


あれから1ヶ月が経ち、新たな院長が任命された。今度は女性の院長。


何事もなく過ごしているが、サンは自分のことを調べるために図書館に入り浸るようになった。


簡単な本から歴史的書物まで読み、休みあらば読み進めていた。


コトノが生きていた時にプラスとマイナスの神話を話した。


プラスは黄色の輪を形成し、マイナスは赤色の輪を形成した。対極した対を成すエネルギーだとコトノには説明した。


それはたまたま図書館にあった本の嘘か真かわからぬ神話の話しだった。しかし、今、自分の左手の甲に存在する赤色の輪の紋様はそれに酷似していた。つまり、あの時間停止現象はマイナスからなる性質の何かであると結論づけた。


季節は移り変わり、1年が経った。