─animaTane─ドレミ

へルメルの泣き声が聞こえた。ピアノの下からでは院長の背中しか見えない。しかし、院長は暗がりでへルメルの表情をとらえて、視界に入れると確かにこう言った。



「へルメル。なんで笑っているんだい?」


笑っている──────────


どこにもおかしなやり取りはなかった。


へルメルは口を開く。


「良かった。院長はあの時を見てなくて」


あの時?


サンが思考を巡らせるとすぐに犯人を理解した。


へルメルがコトノを性的暴行のすえに殺害した犯人であると。


「あの時。。。まさかキミとコトノはここにいたんだね」


ふふふ、と笑うへルメルは「いたよ」と告げる。


院長はあの時、二人の存在に気づくことが出来なかった自分に後悔した。


「コトノのことを好きだったキミがなぜそんなことを!?」 


子供をたしなめる親のように院長はへルメルに問いかける。