私はいたたまれなくなって、走ってその場から逃げた。 「待って!」と後ろで止める声は聞こえたが私は止まらず家に向かってひたすら走った。 幸い、私も引っ越しをしていた。 近所ではあるが、あの頃住んでたマンションとは違う。 だから家にくるということはないだろう。 「はぁ、はぁ、」 玄関のドアを勢いよく閉めた。 なんであっちゃうかな。 今日あったことは忘れよう。 誰にも会ってない。 何もなかった。 そう、何も。