当然彼女は知らないだろう。 私だって何を話していたかまで覚えていない。 あの頃は私も誠くんが引っ越すのが寂しくて隠れて泣いていた。 当日は誠くんを宥めるのに苦労したことしか思い出せない。 水樹さんはチラッと私の方を見た。 でも私も思い出せなかったので首を横に振った。 それが気に食わなかったのか、こちらを向いて彼にバレないように舌打ちをされた。 案の定、次の休み時間に呼び出されてしまった。 「ちょっと話があるの。きて来てくれる?」 と。 大人しく従うしかない。