「おはよう、菜乃花ちゃん」
「おはようございます、谷川さん」

いつものように出勤して挨拶を交わすと、谷川は、ん?と菜乃花を見て首をひねった。

「どうかしましたか?」
「うん。菜乃花ちゃん、なんだか可愛い」

は?と菜乃花は面食らう。

「どうしてだろう。髪型も服装もメイクも、普段と同じよね?でもなんだかキラキラしてる…」

そこまで言うと、谷川は急にしたり顔になった。

「なるほどー。そういうことか。素敵なクリスマスイブだったんだね!」
「え?あの…」

戸惑う菜乃花をよそに、谷川はまたクリスマスソングを歌いながらカウンターへと歩き出した。