「お、どした?宮瀬。顔色悪いぞ?」

デスクに戻ると、近くの席の塚本に声をかけられる。

両手を頭の後ろで組み、椅子をクルクル揺らしながら気軽に聞いてきた。

急患が運び込まれると一気に顔つきを変える塚本は、普段はこんなふうにのほほんとしていることが多い。

「三浦先生、何の用だったんだ?果たし状でも渡されたか?」

うぐっと颯真は言葉に詰まる。

「なんだ、図星か?お前、あのおっとりした三浦先生を怒らせたのかよ。なかなかの強者だな。あはは!」
「笑いごとじゃないですよ」

颯真は半泣きの表情になる。

「よほどのことしたんだなあ。で?決闘はいつ?俺も見に行っていいか?」
「ダメです!絶対に!」
「えー、見たいのに。ま、とにかく頑張れ!これ以上怒らせる前に行ってこいよ」
「はい…」

既にノックアウトされたように、颯真はヨロヨロと立ち上がった。