暑い日が続く。

図書館は連日、夏休み中の子ども達が多く訪れ、菜乃花は対応に追われていた。
本の問い合わせや貸し出し業務、イベントの開催に宿題の相談。
毎日、他のことは考えられない程、仕事に集中していた。

夏休みが終わりかける頃、りょうかがまさると一緒に図書館を訪れてくれた。
三人で再会を喜び、菜乃花は二人が仲良くテーブルに並んで宿題をする姿を微笑ましく眺めていた。

9月に入り、暑さが少し和らいでくると、加納夫妻がよく顔を出してくれるようになる。

皆の元気そうな姿を嬉しく思いながら穏やかな毎日を送っていた菜乃花は、ある日有希から嬉しいメッセージを受け取った。

「え、生まれた?男の子が無事に!」

仕事終わりにスマートフォンを見た菜乃花は、早速有希に返事を書く。

『有希さん、先輩。おめでとうございます!ママも赤ちゃんも無事で何よりです。とっても可愛い赤ちゃんですね。私も早く会いたいです。有希さん、お身体お大事に。ゆっくり休んでくださいね。嬉しいお知らせをありがとうございました』

送信すると、ふふっと思わず笑みがこぼれる。

(落ち着いたら会いに行きたいなあ。あ!プレゼントを買いに行かなきゃ!)

次の休みに早速探しに行こうと、既に菜乃花はウキウキしながら明るい気持ちになっていた。