悠琳くんは、それからすぐにスイーツをワゴンに乗せて戻ってきた。
ひとりひとりの前にシフォンケーキが置かれていく。
見ただけでふわふわしてそうなのがわかるシフォンケーキ。おいしそう。
ところが、なぜかわたしの前には、中身の見えないお皿が置かれた。
どうして中身が見えないかというと、小さなクローシュがかぶさっているから。
クローシュっていうのは、お料理の鮮度や温度を保つためにかぶせるフタのこと。
銀のフタだから、中になにが入ってるのか見えない。
どうして、わたしのだけ?
ふしぎに思って見上げると、悠琳くんがにこっと笑った。
そして、クローシュに手をかける。
なにが出てくるんだろう。ちょっとわくわく。
「これは俺から璃衣に。璃衣だけ特別」
そう言って、フタをオープンする。
中から出てきたのは──。
「え……」
言葉をうしなった。
だって、これって……。



