執事さまはメイドちゃんに夢中♡

執事さまとメイドちゃん

入学して三回目のお茶会がやってきた。


いつもと変わらない、執事科がS学生をもてなす交流会。

けれど、今回はちょっとだけ違った。


それは、マナー講座の一環として、メイド科も席に着くよう言われたこと。

わたしたちも参加させてもらうことになったんだ。


いつもは見ているだけだったのに、今日は一流のお菓子を食べられる。

すごく楽しみ！　なんだけど……。


「どうしてメイド科なんかと同じテーブルに着かないといけないの」

「マナー講座かなんだか知らないけど、わたしたちの神聖な場所を汚さないでほしいわ」


S学生は文句があるみたい。

食事は一流でも、空気はとにかく最悪だった。


それに、いつもと違うことがもう一つ。


「どうして鷹見くんがいないの？」

「お父さまのお見送りじゃないかしら。今日帰国するとニュースにあったから」

「それは、しかたないわね」

「そうやって理解あるふりをして、いやらしいわ」

「失礼ね。そんなんじゃないわよ」


S学生たちがうわさをする。