わたしのその疑問には、永遠くんが答えてくれた。
「タカミ社長の息子となかよくなれば、L社とつながれる──って親に入れ知恵されたんだろ。くっだらねえよなー」
とか言いながら、永遠くんもタカミ社長の総資産をネットで調べてたのを、わたしは知ってるよ。
まあそれを言うと、永遠くんから毒舌が飛んでくるから言わないけどね。
それにしても、花嫁探しかあ……。
まだ中学生なのに、そんなさきのことを考えないといけないんだ。住む世界が違うなあ。
鷹見くんは、候補をもう見つけたのかな?
お嫁さんになってほしい人がいるのかな?
わたしは到底、立候補していい身分じゃないから、見守ることしかできないけど。
もし見つかっていないなら、すてきな人と出会えるといいな。
もし見つかっていたら……。
その人とうまくいくといいな。
だって、鷹見くんはとってもやさしい人だから。
……あれ? なんか、胸が、ちょっと痛いような……。
「宮戸さん?」
え?
だれかに呼ばれた気がして、振り返った。