同じ校舎で生活しているとはいえ、お茶会の日から今日まで、一度も会えなかった。

遠目では見かけたけど、こうして近くで会うのはお茶会ぶりだ。

だから、今日の合同授業を楽しみにしていたんだ。


「チーム編成は、執事二人にたいして、メイドが五人から六人。くじを引いて、同じアルファベットのもの同士でチームを作ってくれ」


ぜんぶで十三のグループにわかれるらしい。

十三もあったら、一緒のグループにはなれないよね……と思っていたんだけど。


「執事科の鷹見悠琳です。よろしくお願いします」


ていねいなおじぎをする鷹見くん。

まさかの鷹見くんと同じグループになっちゃった!

しかも、奏音ちゃんと永遠くんも一緒!

うれしい! 心強いなあ。


「それじゃあ、グループAからCは教室1へ、グループDからFは教室2へ、グループGからIは教室3へ、グループJからMは教室4へ。移動開始」



接客シミュレーションは、かんたんにいえば、ホテルの従業員となって接客の流れをロールプレイングするテスト。

お出迎えからお見送りまでを、グループで協力して実践する。