「は、初めまして! 鎌田由真です! は、八島くんには日ごろからお世話になっていて……」

 テンパりながら挨拶をすると、八島くんのお姉さんは「そんなのいいってー」とお腹を抱えて笑っていた。

「ほら、上がった上がった! ちょうどケーキ頂いたんだー。由真ちゃんはケーキ食べれる?」

「……は、はい!」

「じゃあそこに座ってて待っててね。ほら、真人も手伝って!」


 お姉さんにコキ使われる八島くんはなんだか新鮮で、けれどお姉さんを慕っているのが良く分かる。八島くんの家は家族関係も良好なのだろう。

 私はいつから由衣とギクシャクするようになってしまったんだろう。けれど、ギクシャクするのは当たり前だ。私と違って由衣は友達も多いし好かれやすい。双子だというのに顔も全然似ていない。父似の私とは違い、母似の由衣の顔はとてもかわいらしい。

 本当に双子なのかと周りに良く聞かれもしたし、私自身も疑いたくなる。

 けれど、私たちは正真正銘の双子でこの事実は変わらない。

 由衣のことを思い出して顔を暗くする私に、「鎌田、チョコケーキとイチゴのケーキ、どっちがいい?」八島くんは顔を覗き込むように問いかけた。