アイドルの妹だからってイジメないで



テレがダダ洩れみたいなオロオロ声を、私がもらしてしまったからかな?

私たちの間には、くすぐったいくらい甘い空気が流れている。



顔をあげるのが恥ずかしいのは、勇大も同じみたいで。


「かん違いするなよ。オマエのこと、嫌ってねーから」


勇大の声は、恥ずかしさを一生懸命隠してますと言っているかのよう。




しばらく無言の時間が流れて。

お互い座ったまま、反対側の床に視線を逃がしていて。


気まずさに耐えかねように、勇大はソファから立ち上がると

「ちょっと待ってて」

私の顔すら見ずに走り去ってしまった。



突然のことに、私は唖然(あぜん)

状況がつかめなくてキョトン。



脳がボケボケしている間に時間は過ぎ、勇大が戻って来た。

ソファに座る私の前で、はぁはぁと息を整えている。

全力疾走したみたいだけど、どこに行ってたの?



持っていた紙袋の中に手をつっこんだ勇大は、何かを私に突き出してきた。

勇大が手にしているもの。

それは……