吐いても吐いても吐き気が止まらない。
自分がこんなに苦しんでいる間にもカズは他の女性客と酒を飲んでいるんだろう。

そう思うと余計に吐き気がこみ上げてきた。
日奈子はそのままトイレの床に横倒しに倒れ込んだ。

起き上がる元気も残っていない。
毛布にくるまる力もない。

日奈子は寒いトイレの床でまるくなり、いつまでも泣いていたのだった。