おまけに会社の上司とまで関係を持つことになっただなんて、口が裂けても言えない。
「そっか。でもカズくんだって人間だからね、いつか日奈子に甘えたくなる日がくるよ」

日奈子を始めてホストに連れて行ってくれたのは由利だ。
だから由利もカズのことをよく知っていた。

当時は日奈子と由利、どちらが自分のお気に入りのホストを射止められるかで勝負したこともある。
結果は日奈子の惨敗だったことは、言うまでもない。

「そうなればいいんだけどね……」
日奈子には正直自身がなかった。

昨日あれだけ高級なものを持っていったのに、お礼の連絡も未だに来ない。
気になるのなら自分から連絡してみればいいのだけれど、カズの負担になるかもしれないと思うとなかなあk行動に移せなかった。

ウザイ客だと思われたくない。