ホストに恋して破滅した私ですが、高級キャバ嬢になってイケメンオーナーから愛されています。

まるで懐かしい旧友にで会ったような気分だ。
それからふたりは駅前のファミレスへと入っていった。

「由利、体型がすっかり元通りだね。まだまだ独身でいけそう」
「そうかな? 毎日『お母さん』をやってると、自分が女だってこと忘れちゃいそう」

そういいながらも由利の顔には幸せが満ちている。
不満なんてほとんどないんだろう。

「旦那さんは元気?」
「メッセージでも伝えたけど、もう嫌になるくらい元気だよぉ? 仕事から帰ってきてから、毎日息子と遊んでる。見てる私の方が疲れちゃいそう」

「いい旦那さんだね」
由利の旦那さんは元々カズの家でホストをしていた従業員だ。

由利は見事ホストだった旦那さんの心を射止め、今では普通の会社員に転職している。
「それで、そっちはどう?」

聞かれて日奈子は少し暗い気分で左右に首を振った。
お金が底を尽きて、とてもいい感じだとは言えなかった。