ホストに恋して破滅した私ですが、高級キャバ嬢になってイケメンオーナーから愛されています。

☆☆☆

新幹線に乗って京都に降り立ったとき、光が右手を差し出してきた。
日奈子は自然と手を握り返す。

すると光は日奈子のことをグイッと引き寄せたのだ。
突然近くなる距離に思わず足踏みをしてしまう日奈子。

「人が多い場所だ。ちゃんと歩け」
そんなことを言われても突然引き寄せておいてなにを……。

そう思うけれど、顔が赤くなってしまってうつむいてばかりだ。
日奈子はこけないように足元を見て必死に光についていった。

駅から離れて人混みから抜け出すと、ようやく光との距離が少し離れて日奈子はホッと息を吐いた。
「あの、最近どうしたの?」

「どうしたって、なにが?」
「なにがって……わかってるでしょ?」
出会った頃はこれほど日奈子にベタベタ触れることはなかった。