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仕事終わりに2時間立ちんぼをしてついた客は1人だけだった。
値段は1万5千円。

本当は3万円はもらいたかったけれど、仕方ない。
前回ここで出会った嫌味な男の言う通りになったことが悔しかったけれど、忘れることにした。

日奈子がアパートに戻ってきた頃にはすっかり日付が変わっていたけれど、男にご飯をおごってもらって、水道代を気にすることなくお風呂に入れたことで心は満足していた。

「もうちょっと待っててね、すぐに会いに行くからね」
日奈子はカズの写真へ向けてそう声をかけ、毛布にくるまって眠りについたのだった。