「そんなのは気にしなくていい。それに居候だとは思ってない」
「でも……」

ホストを殺しそうになった自分を拾ってもらったあげく、仕事まで与えてくれたのだ。
なにもしないなんてこっちの気が引ける。

それを察知したのか、光がソファに座るように促してきた。
日奈子は素直に光の隣に座った。

すると突然光が横になり、日奈子の膝に頭を乗せてきたのだ。
「ちょっと、なにするの!?」

驚く日奈子をよそに光は心地よさそうに目を閉じた。
「金のことは気にするな。時々こうして膝枕をしてくれれば、それでチャラにしてやる」

それって一体どういうこと!?
そう思ったけれど、閉じられた光の目やきめ細やかなな肌を見ているとどうでもよくなってきてしまった。

二人分の心地よい呼吸音だけが聞こえてきている。
ともすればこのまま眠ってしまいそうで、日奈子は左右に首を振って眠気を飛ばした。
出勤時間まであと1時間を切っている。