「ジェネシス部隊は平気で殺してくる。甘さは捨てろ」


「くっ…!!」


「遅い。このタイミングで魔法が出せねえんなら、魔法札を使って近距離戦に変えたほうがいい」


「はい……!!」



川のせせらぎに似合わない爆発音。

相手は自分より年下の女の子だというのに、まるで容赦のない音ばかりが耳に届いてくる。


さやさやと吹き抜けるそよ風、木々からひらりと落ちてくる葉。



「ハオ、お前はローサに何かあったとき以外でも本気だせ」


「は?むしろもっといたぶれって思ってます…っけど!!」


「アレフはアネモスを優位に立たせるな。おまえの魔法だ、おまえが確実な指揮を執(と)れ」


「こらアネモス…!暴れるなっ」



強化合宿とのことで、敷地内の山よりもっと先を歩いた標高のたかい場所。

足場も安定していないなかで行う修行は、かなり実戦向きだった。