紫苑くんとヒミツの課外授業



翌日。


「はい。それじゃあ、次の問2を……水瀬咲来さん」

「え!?」


今は、学校の数学の授業中。

私は、女性の先生に指名されてしまった。

この問題の答え、自信ないのに……。


「咲来さん、問2の答えは?」

先生に尋ねられ、私は急いで席から立ち上がる。


すると聖来をはじめ、複数のクラスメイトの視線が一斉に私へと向けられる。


「えっと……」


もし、間違えたらどうしよう。

皆から注目されると途端に緊張してしまい、私は頭の中が真っ白になる。


「あの、すいません。分かりません……」

「え、分からない? それじゃあ……田中くん」


先生が他の生徒を指名したので、私が席に着くと、くすくすとクラスメイト何人かの笑い声がする。


「あんな簡単な問題も分からないなんて」


誰かのそんな声も聞こえてきて、私は顔が真っ赤になる。


どうして私は、いつもこうなんだろう。


自分で自分が嫌になる。