翌日の放課後。私は久しぶりに紫苑くんと、学校の図書室にいる。
紫苑くんは今日も今まで通りに左目を前髪で隠し、眼鏡を掛けている。
北条財閥の御曹司ということは、やはり学校では秘密らしい。
「昨日、聖来が今までのことを謝ってくれて。母や妹と少しずつだけど、昔みたいな関係に戻りつつあるの」
「そっか。良かったな」
「これも全部、紫苑くんが勉強を教えてくれたお陰だよ。ありがとう」
「ううん。俺は、ただ咲来のためにやっただけ。だって、咲来にハンカチを拾ってもらったあのとき、咲来の泣きそうな顔を見ていられなかったから」
紫苑くんが、私の頬にそっと手を添える。
「だから最近は、咲来がよく笑ってくれるようになって嬉しい」
紫苑くん……。
「ありがとう。ねぇ、何か私にお礼をさせてくれない?」
「お礼?」
「うん。毎日テスト勉強を教えてもらったお礼がしたくて」
「そうだなぁ。だったら、咲来……俺に好きって言ってよ」
え!?



