紫苑くんとヒミツの課外授業



もしかして私がジュースを一気飲みするところ、見られてた!? 恥ずかしい……。


「きゃあ、シオンさま〜♡」


すると横から私を押しのけるようにして、聖来が興奮気味にシオンさんの元へと駆け寄る。


「あのっ! お初にお目にかかります。わたし、水瀬聖来っていいます」

「聖来さん……初めまして、北条シオンです。今日はお会いできて嬉しいです」


シオンさんが胸に手を当て、聖来へと向かって爽やかに微笑む。


「やだ、シオンさまったら」


そんな彼に、聖来がまたもやうっとりとする。


何だろう。シオンさんは、ただそこに立っているだけでオーラがあるというか。

今みたいに胸に手を当てるだけにしても、彼の上品さが所作の一つ一つから滲み出ていて。


そばで見ていて、私は圧倒される。


「あのっ。わたし……シオンさまのこと、お慕いしています。まずはお友達からで良いので、どうかわたしとのことを真剣に考えて下さいませんか?」


えっ。聖来ったら、いきなり告白!?


聖来がシオンさんへと差し出した手は、緊張からかプルプルと震えている。


あの自信家な聖来があんなにも緊張しているところは、初めて見たかもしれない。