翌日。北条財閥主催のパーティー当日。


今は梅雨の真っ只中だから、しばらく雨の日が続いていたけれど。


今日は、久しぶりの快晴。


綺麗な青空を見ているだけで、少し気持ちが上向きになる気がした。


「咲来さま、こちらへどうぞ」

「よろしくお願いします」


今日は朝早くからヘアメイクさんが家にやって来て、私は身なりを整えてもらう。


腰にリボンのついた淡い水色のドレスに身を包み、いつもはストレートの黒髪も今日はゆるく巻いてもらい、ハーフアップに。

そして、軽くメイクをしてもらって完成だ。


「うわぁ」


鏡に映る着飾った自分は、いつもの地味な自分とはまるで別人のようで。

まつ毛がくるんとカールした目は、普段よりも大きく見える。


やっぱりプロの人って、すごいな。


支度を終えると車に乗り込み、家族で会場である高級ホテルへとやって来た。


天井からは巨大なシャンデリアが吊り下がり、会場は煌びやかな雰囲気が漂っている。


パーティーに参加するのはすごく久しぶりだから、緊張するなぁ。