「あの、北条財閥のパーティーに招待されただなんて!」

「ふふ。でしょー?」


聖来が、とても自慢げな顔をしている。


「北条財閥って、あの有名な……?」


聖来たちの話が聞こえたのか、ナナちゃんが声を出す。


北条財閥とは、日本でも有数の大財閥だ。


「ナナ、噂で聞いたんだけど。北条財閥の御曹司って、ナナたちと同い年らしくて。すっごくイケメンらしいよー!」

「へぇー。それは一度お目にかかりたいなぁ。ああ、あたしもパーティーに行きたい」


ナナちゃんとミサキちゃんが、二人で盛り上がっている。


北条財閥の御曹司……か。すっごくイケメンって、一体どんな人なんだろう。


少し興味はあるけど。たとえどれだけイケメンでも、図書室で一瞬だけ見えた紫苑くんのあの素顔には敵わないんだろうな……って。


何を考えてるんだろう、私。


私がチラッと紫苑くんのほうを見ると、彼は自分の席で静かに読書をしていた。


本を読む姿も知的で、ただそれだけでかっこいいなんて……やばい。