翌朝。


「やばい、やばいよぉ」


私は今、学校の校門をくぐり抜け、教室までの廊下を走っている。


昨夜は、紫苑くんからメッセージの返事が来ないことが気になって、なかなか寝付けなかったから。

朝起きるのが、いつもよりも遅くなってしまった。


そのせいで私は今、人生初の遅刻をしてしまうかもしれないピンチなんです。


「……はぁ、はぁ。予鈴の5分前だ。良かった、間に合った……」


猛ダッシュで教室の前に着いた私は、肩で息をしながら教室の扉を開ける。


──ガラガラ。


私が教室に入ると、クラスメイトの視線が一斉にこちらへと集まるのが分かった。


えっ、何?