-- 塩の香りが漂ういつもの店先。
鮎を食べていると見覚えのある女… 町でよく雪美に話しかけては、勝手に俺の友達だと言い張るおゆりがいた。

「咲夜さん!川下りの約束覚えてる〜?」
「…は?していないだろ」
「良いじゃん、いこいこ〜!」
腕を取られそうになり交わしたが… どうやらおゆりには話が通じない。
雪美が来る前にこの厄介から離れようとしたのに、間が悪いことに雪美が現れた。
雪美の姿に気付いたおゆりは、咲夜が手に持っている2本鮎の塩焼きの1本をわざと取って見せた。
「ちょ… それはゆきのだ…!!」
咲夜の慌てた声が聞こえたが
雪美の胸には黒いものが満ちていく。
雪美の顔を見た瞬間、胸元がぎゅっと締まるようだった、怒っているのではなく怯えている顔だった。
(また、何かに奪われると思ったのか)
そんな顔だった。
咲夜を失うことを恐れているなんて、そんな風に思うのは贅沢かもしれない… けど、雪美の震えは鈴香を思い出しているに違いなかった。
(なんで…嫌だ… )
「また今度ね咲夜!ゆきちゃんも〜!」
おゆりは軽い声を残して去っていく。
雪美は思わず口を尖らせ眉を寄せた。その顔を見て咲夜が怪訝そうに首を傾げる。
「ゆき?どうした?ゆきが来るって言ってたから、鮎の塩焼き買って2人で食べようと思って…」
「…いらない。あの子にあげたくせに」
雪美の言葉が胸に刺さる
咲夜自身、そんなつもりはなかった。
立ち去ろうとした雪美の腕を咲夜が掴む。
「待て、ゆき… 怒ってる?」
「怒ってない」
「怒ってるじゃん… 」
雪美は最近どこか落ち着かない。
些細なことで眉を寄せる。その瞳の揺れが咲夜には鈴香の事を思い出させる。
… あの日から、雪美が誰かに手を取られることを恐れるようになった。
鮎を食べていると見覚えのある女… 町でよく雪美に話しかけては、勝手に俺の友達だと言い張るおゆりがいた。

「咲夜さん!川下りの約束覚えてる〜?」
「…は?していないだろ」
「良いじゃん、いこいこ〜!」
腕を取られそうになり交わしたが… どうやらおゆりには話が通じない。
雪美が来る前にこの厄介から離れようとしたのに、間が悪いことに雪美が現れた。
雪美の姿に気付いたおゆりは、咲夜が手に持っている2本鮎の塩焼きの1本をわざと取って見せた。
「ちょ… それはゆきのだ…!!」
咲夜の慌てた声が聞こえたが
雪美の胸には黒いものが満ちていく。
雪美の顔を見た瞬間、胸元がぎゅっと締まるようだった、怒っているのではなく怯えている顔だった。
(また、何かに奪われると思ったのか)
そんな顔だった。
咲夜を失うことを恐れているなんて、そんな風に思うのは贅沢かもしれない… けど、雪美の震えは鈴香を思い出しているに違いなかった。
(なんで…嫌だ… )
「また今度ね咲夜!ゆきちゃんも〜!」
おゆりは軽い声を残して去っていく。
雪美は思わず口を尖らせ眉を寄せた。その顔を見て咲夜が怪訝そうに首を傾げる。
「ゆき?どうした?ゆきが来るって言ってたから、鮎の塩焼き買って2人で食べようと思って…」
「…いらない。あの子にあげたくせに」
雪美の言葉が胸に刺さる
咲夜自身、そんなつもりはなかった。
立ち去ろうとした雪美の腕を咲夜が掴む。
「待て、ゆき… 怒ってる?」
「怒ってない」
「怒ってるじゃん… 」
雪美は最近どこか落ち着かない。
些細なことで眉を寄せる。その瞳の揺れが咲夜には鈴香の事を思い出させる。
… あの日から、雪美が誰かに手を取られることを恐れるようになった。

